介護職の苦労話

介護支援専門員という介護職

介護職の実情と未来を考えよう

2015/11/04

「縁の下の力持ち」の介護支援専門員

「縁の下の力持ち」の介護支援専門員

裏で支える介護支援専門員

介護の基本になるケアプランの作成

介護支援専門員、通称ケアマネージャーの仕事は介護の現場を裏で取り仕切る、縁の下の力持ちのような存在です。ホームヘルパーや介護福祉士など現場で働く人と違い、介護が必要な高齢者の方々と接する時間はそれほど多くはありませんがとても重要な仕事です。
介護支援専門員の仕事の柱になるのが「ケアプラン」の作成です。ホームヘルパーや介護福祉士、理学療法士などの介護職の全てのスタッフが介護支援専門員の作ったケアプランにしたがって動きます。
また介護には大きく分けて「訪問介護」と「施設介護」に分ける事が出来るのですが、その判断をするのも介護支援専門員の仕事です。介護認定をされた高齢者の方やそのご家族と面談して心身の状態をチェックし、ご家族のご協力がどの程度受けられるのかなどの情報を聞きます。これらをすべて総合的に判断してケアプランを作ります。

要介護認定の判断

介護支援専門員という仕事が作られたのはそもそも「介護保険」の実施がきっかけになりました。これ以降介護の仕事はこの介護保険の枠組みの中で動いています。介護保険の補償を受けるためには、介護がないと生活できないと判断された高齢者の方やご家族が介護保険の申請をする必要があります。介護保険の申請があると介護が本当に必要か、どの程度の介護が必要になりそうかという事を調査員が判断しに行きます。
これを「一次調査(基本調査)」と呼ぶのですが、この調査員を介護支援専門員が行う事になります。79にも及ぶ様々な項目について調査をし、医者の診察と合わせてコンピューターで判定した後、その結果をもとに「介護認定審査会」が会議を開いて要介護認定かどうかが決まります。介護が必要な高齢者の方々にとっても、介護側にとっても、最初の判断をする大切な仕事を介護支援専門員は任されている事になります。

高齢者やご家族の介護の相談

介護支援専門員の仕事は介護についてのいろいろな情報を持ち、的確なアドバイスと判断をする事が基本になっています。そのため介護が必要な高齢者の方々やそのご家族の方が介護について疑問や質問がある時は介護支援専門員がその回答をする事になります。ホームヘルパーや介護福祉士が判断しかねるような要件に関しても介護支援専門員にいったん預けられて回答をするようになっています。
介護が始まった後も介護を受けているご高齢の方が社会から孤立しないように気を配るのも介護支援専門員の仕事のひとつです。定期的に社会と触れあるような行事を開いたり、デイサービスの利用をすすめたりする事も大切な仕事です。また実際に介護にあたっているホームヘルパーや介護福祉士、そして高齢者の方とそのご家族を集めて定期的に話し合いをし、円滑に介護が進むようにはからうのも仕事のひとつです。

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