介護職の実情と未来を考えよう
2016/03/10
いま注目の介護ロボット
少子高齢化が進み、介護が必要な高齢者が増える一方で、介護をする側の人間は人手不足になっています。今後もこの傾向は続いていくか、さらに拍車がかかる可能性もあり、国としても対策をとる必要があります。
そのための対策のひとつが「介護ロボット」の導入です。例えば動けない高齢者をベッドからベッドに移したり、施設内を徘徊してしまう高齢者のパトロールをするなど、力が必要だったり、夜間もずっと動き続けるような作業は介護ロボットが担当するというアイデアです。実際に厚生労働省は「福祉用具・介護ロボット実用化支援事業」を立ち上げています。介護の現場で本当に必要とされるサービスができるロボットの開発を促進しています。
介護ロボットが力仕事や、夜間勤務の代わりをしてくれるようになると、当然介護職のスタッフの負担は軽くなります。人手不足のために、ひとりひとりの負担が重くなって、その苦労に耐えられずに職場を離れてしまうという悪循環が介護の現場では起きています。しかし介護ロボットが負担を軽くしてくれる事で、介護スタッフが仕事がきつすぎて辞めてしまうという事がなくなり、離職をする人も少なくなるという好循環が起こる可能性があります。
そもそも日本はロボットを作る技術が世界的にも高く、現場で必要とされる介護ロボットを作成する事ができる可能性は高いとみられています。しかし実際に高度な技術を持っている企業や人材が介護ロボットを開発しようと思ってくれないと絵に描いた餅になってしまいます。
まずは介護ロボットを開発したいという企業や人材を集める事が重要です。そのためには介護ロボットの必要性を世の中の人にもっと知ってもらう必要があります。厚生労働省では介護ロボットに関する相談窓口を作り、ホームページなどで開発の協力を呼び掛けています。今後もこのような活動をさらにさかんにしていく事が求められるでしょう。
介護の現場では、昔ながらのやり方、自分の身体ひとつで介護をしてあげたいという、日本人らしい美徳を持っている人の方が多いです。そのため介護用具に関しても使用をためらう介護職の方は数多くいます。
しかし使い方をきちんと覚えると、介護の作業がぐっと楽になったと手ごたえを感じている人も増えてきています。このように介護ロボットも最初は介護の現場で受け入れられないかもしれません。しかし本当に有用であったら積極的に介護の現場で使用される事になるでしょう。介護ロボットと介護職で働く人が上手にタッグを組むことが今後期待さているのです。
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