介護職の苦労話

介護職の苦労話「検食」について

介護職の実情と未来を考えよう

2015/11/07

検食は意外と大変

検食は意外と大変

知られざる介護職の苦労

嫌だと主張してくる

介護申請をして要介護度が高いと判断された高齢者の方は特別養護老人ホームなどの介護施設で生活を送りながら介護を受ける事になります。初めは高齢者の方も環境になれるのが精いっぱいです。またまだ他人行儀ですので、介護士の話をきちんと聞いて、嫌だとは思っても施設のルールに従ってくれます。しかしだんだん介護施設に慣れてくると高齢者の方も思っている事を口に出し、嫌なものは嫌だと主張をしてくるようになります。その中でも代表的なのが食事についてです。

正直あまり美味しくない

病院に入院した経験がある方ならわかると思いますが、入院中の食事はとにかく薄味でご飯はやわらかく、野菜は歯ごたえがないくらい煮込まれています。正直言ってあまり美味しくないわけです。それが介護施設の食事になると、歯が無くてもかみ切れるように作られているので更に歯ごたえがないくらいに煮込まれています。介護度によって食事が細かく分けられているわけではないので、まだ比較的元気な高齢者の方にとってはかなり苦痛な食事という事になってしまいます。
このためご家族が施設にいらした時などに「ここの施設の食事はまずくて食べられない」「嫌がらせのためにまずい食事を出している」などと文句を言う人も多いです。介護スタッフとしても可哀そうだと思いつつどうする事もできないのが現実です。しかしこの介護施設の食事がつらいと感じているのは元気な高齢者の方だけではないのです。

「検食」はかなりつらい作業

実際に介護職を始めてつらかった事は何かとアンケートを取ると「検食」と答える人がいます。検食とは介護施設で働くスタッフが交代で、介護施設の食事を食べる事を言います。実際に誰かが必ずその日の食事を食べる事で、異常がないかどうかを確認する大切な仕事です。
しかし大切な仕事だと分かっているのですが、自分が担当する日はかなり気持ちが暗くなります。元気な高齢者の方でもつらいと感じる柔らかくて薄味な食事ですので、まだ若いスタッフなどは量が少ない上に、食べごたえがなく、味がしないという感覚になります。しかも介護職は高齢者の方の身体を支えたり、車いすに移すために抱きかかえたりと体力が必要な仕事です。食事でスタミナをつけなくてはいけない所に、高齢者向けの食事ではとても厳しい事になります。そして結局検食が終わると、コンビニなどで買ったお弁当を食べる事になります。つまり検食の時は2回食事をする事になります。しかも検食の食事代は給与から天引きされてしまいますので、お財布的にも厳しいのが検食なのです。

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