介護職の実情と未来を考えよう
2016/04/20
当たり前だと思っている人がいる
介護スタッフは介護が必要な高齢者の生活の面倒を見ています。できるだけ高齢者の方々が気分よく生活ができるようにと日夜工夫をこらし、知恵をしぼって頑張っています。しかしその割に給与が低いというのは周知の事実になっています。給与が低いのに介護業界に踏みとどまり頑張っているのは、他の仕事がないからではなく、その仕事にやりがいと誇りを持っているからです。
このような人たちは高齢者の方や、ご家族からの感謝の気持ちを感じる事で頑張る事ができるのです。仕事とはいえ半分くらいボランティアといってもいいのが介護スタッフの現実です。しかし介護に対して不満ばかり言ったり、当然だと思っている高齢者やご家族が存在するのも現実です。このような人の介護をする事は心身ともにかなりの負担になります。
「お金を払っているのだから介護を受けられて当たり前」と思っている高齢者やご家族の方がいます。しかしそれははっきり言って誤解です。基本的に介護を受けている人は介護保険制度を通してサービスを受けています。介護保険を通して介護を受けると、介護を1割負担で受ける事ができます。収入が高い人でも2割が受けられます。上限額を超える介護を受けると、その分は本人負担になりますが、基本的には本人やご家族の支払っている金額は1割にしかならないのです。
誰が負担しているのかといえば、そのほかの国民という事になります。9割は自分たち以外の人が負担をする事で介護を受けられているという事を自覚してもらえれば「お金を払っているのだから介護を受けられて当たり前」という考えには至らないのではないのでしょうか。
「介護が不十分だ」と感じて感謝の心を抱かない高齢者の方や、ご家族の方もいらっしゃると思います。しかし介護スタッフのひとりひとりは、限界に近いほど一生懸命働いています。人手不足により、もっと介護が必要だとしても、ひとりひとりの介護スタッフができる事に限界があるため、介護が不十分だと感じてしまう事もあると思います。
結局は介護業界全体に対して国がもっと補助金を出して、介護職の給与を上げる方向にならないと問題は解決しません。介護スタッフは人手不足で給与の低い中、頑張っているという事、介護保険制度によりその他の国民の協力によって介護を受けられているという現実を知って欲しいと思います。それでも感謝の念がわかない場合は、民間のヘルパーを実費で雇う他ないと思います。
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