介護職の実情と未来を考えよう
2015/11/11
高齢者のわがままは敬意と理解が大切
介護職は生活に困っている高齢者の方をサポートして、日常生活を送るお手伝いをする仕事です。国家資格を取ってまで給与が低い介護業界に飛び込んでくる人は優しくて理想が高い人が多いでしょう。自分が精いっぱい介護の努力をすれば、それに対して高齢者の方は笑顔で答えてくれるだろう、そんな風に考えて介護の現場に出る人が多いようです。
しかし現実には、高圧的な態度を取ったり、わがままばかり言う高齢者も多数います。笑顔のキャッチボールのような世界を想像して介護業界に入ってきた純粋な人ほどその事にショックを受けてしまい、仕事にやりがいを感じる事ができなくなってしまうようです。
「介護をしてあげるのだから、感謝されるのが当たり前」このような考えがあるとしたら改めたほうがいいかもしれません。なぜなら現実には高齢者に限らず、いろいろなサービスを受けても感謝の気持ちを持たない人がたくさんいるからです。そして態度についても横柄だったり、やたら高圧的だったりする人はたくさんいます。そのような方々がひっくるめて介護が必要な高齢者になるのですから、介護の現場にはいろいろな人がいるという事はわかっておくべきかもしれません。
しかしだからこそ感謝の言葉を常にかけてくれる優しい高齢者や、介護が必要な状態なのにいつまでも威厳を持って生活を送っている素敵な人に出会うと、介護業界に入ってよかったと思えるかもしれません。
わがままな利用者と接しているうちに「この人はこういう人だから何を言ってきてもまともに対応するのはやめよう」という考えを持ってしまいがちです。しかしそれは危険な考えだと思います。いつもわがままを言っているから、今回もわがままだと決めつけてしまうと、重大な問題を見逃してしまう事になりかねません。そのためにも常日頃からきちんと相手を理解して向き合う気持ちが大切です。なぜこの人は高圧的な態度を取るのだろうか、わがままを言うのはなぜだろうかと相手の立場に立って考えて見るのです。寂しいからかもしれませんし、病気や死が怖いからかもしれません。
このようにして相手の事を理解すると、相手の勘所のようなものが見えてきます。ここをこうくすぐると機嫌がよくなる、態度を改めてくれるという事が理解できるようになります。もちろん大変根気のいる作業ですので、誰にでもできるとは思いません。しかし少しでもよいので相手の立場に立つ事を忘れないで欲しいと思います。
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